04 Special Track 特別報告

東京ガスネットワーク株式会社のVE活動について

将来にわたる都市ガスの保安・安定供給の継続には労働人口減少・担い手不足への対応が課題 である。「生産性向上の取組みの推進」・「効率的な業務運営体制の構築」による事業継続基盤の強化を進めており、その対応策の1つとしてVE活動を導入している。VE活動を通じたコストダウンと、業務プロセスの最適化及びVE人材の育成について発表する。

大川 貴裕 氏 東京ガスネットワーク株式会社 技術革新部 技術研究所 VES

2018年、東京ガス株式会社に入社。道路地下に埋設されたガス導管の維持管理業務に従事。 社内業務の最適化にVE思考が必要と考え2021年にVELを取得。現在出向中の東京ガスネットワーク株式会社でVESを取得し、社内のVE推進事務局としてVE人材育成やVE活動支援を担う。

天尾 夏月 氏 東京ガスネットワーク株式会社 経営企画部 業務スマート化推進室 VEL

2016年、東京ガス株会社に入社。ガス導管の施工管理業務に従事。 現在は、東京ガスネットワーク株式会社にて、生産性向上を目的とした会社施策を企画・推進する業務を担う。2024年にVELを取得し、VE教育の企画やファシリテーターとしてVE活動に参加している。

組織横断のVE活動による業務効率化の実現

東京ガスリビングアドバンスでは、住宅設備工事事業の収支改善に向けて2019年度より構造改革をスタートさせ、その手法の一つとしてVE活動を導入した。当社は営業から設計、施工までを一貫して担っており、組織横断的にソフトVEを実施することで、全体最適を図りつつ業務効率化とコストダウンを実現した。

堀 大樹 氏 東京ガスリビングアドバンス株式会社 エンジニアリング事業部 事業推進部 業務改革G

2017年に東京ガス株式会社に入社。床暖房をはじめとする住宅設備工事の技術支援および設計業務に従事し、2020年度からVE活動を実施。2022年4月より東京ガスリビングアドバンスのVE専門部門に出向し、VEリーダーとして活動を推進している。

全社員で取り組むフジタの施工DX(会社紹介)

デジタル変革と言われるDX――。しかし、その本質は組織全体が一つになって将来を構築するための意識改革です。社会全体、そしてフジタ社内においてもDXという言葉がキーワードになっている今、全社で取り組みが進む「DXプロジェクト」について紹介します。

株式会社フジタ

【会社紹介】
フジタの歴史
フジタの建築・土木・環境技術
フジタの強み(海外事業、都市再生事業、環境技術、大和ハウスグループの総合力)
フジタのマネジメント(VE他)

埋もれたデータを資産化して活⽤! 製造業AIデータプラットフォーム CADDiで実現するコスト改善

品質向上やコストダウンなどQCD改善にデジタルデータ活用は不可欠です。本セッションでは、図面データを資産として活用するクラウドサービス “CADDi Drawer” による製造現場の課題解決とコスト削減を図る手法を事例を交えてご紹介します。

八木 雅広 氏 キャディ株式会社 エンタープライズ事業部 カスタマーサクセス本部 本部長

株式会社クボタで産業用ポンプの海外営業を担当した後、ボストンコンサルティンググループにて、製造業のお客様と共に事業戦略の立案や構造改革の推進に携わりました。モノづくり産業の変革に貢献したいという強い想いからキャディに参画し、カスタマーサクセスグループのリーダーとして、ご契約いただいたお客様のビジネス成功を支援しています。

電子機器・電子回路設計へのVE導入のポイント

EVやパッテリーに限らず、電子機器・電子回路の重要性がさらに増している中、設計へのVEの導入での製品の価値向上が求められているが、なかなか導入に苦労する例が多い。今回は、電子機器・回路設計者のVEへの理解を得て導入を進めるためのポイントを、豊富な電子機器・回路設計の経験を踏まえて紹介する。

清水 ひろゆき 氏 アットマーク・コンサルティング合同会社 社長 VES

横河・ヒューレットパッカード株式会社(現アジレント・テクノロジー株式会社)で、半導体用高精度計測機器の回路設計、プロジェクトマネージャー、顧客サポート、マーケティングなどに従事。2016年に経営コンサルタントとして独立、中小製造業を中心に製品開発・販売促進などの支援や、大手メーカーへの技術研修などを行っている。VES、中小企業診断士・応用情報処理技術者、2023年より東日本支部マーケティング部会主査。

次世代VEr.育成プラットフォーム
バリューデザインアカデミー 活動報告・今後の戦略・方向性

次世代のVEr.育成プラットフォームとして今年4月から開講したバリューデザインアカデミー(VDA)は、「VE+αのプロフェッショナルをつくる」というビジョンの下、11名の本校生、7名の聴講生を迎え、始動しました。今回は、第1期のVDA活動状況、受講生の生の声、そして、今後のVDAの戦略、方向性について報告いたします。

芝本 秀徳 氏 バリューデザインアカデミー アカデミー長 VES

株式会社プロセスデザインエージェント 代表取締役。大手ITベンダーでソフトウェアエンジニア、プロジェクトマネジャーとして、自動車部品メーカー、エレクトロニクスメーカーのソフトウェア開発に携わる。その後、文教市場向けソフトウェア開発に市場機会を見出し商品開発に乗り出し、企画・開発・販売まで一貫して現場を陣頭指揮。現在はコンサルタントとして、ソフトウェアの世界で培った問題解決力とエンジニアリングの知見を活かし、IT、金融、サービス業、小売業など、さまざまな業種の企業をクライアントとして持ち、戦略策定、実行ファシリテーション、DXプロジェクトPMO、人材開発などを行う。

トレードオフに注目した優良企業の設計手法の提案
~古本屋業をケーススタディとした対極発想法による戦略検討~

東日本支部の社会インフラ部会「企業ケース検討会」の活動から、新たな発想の起点として、新ビジネスを検討する際に重要課題となる「二律背反問題」に着目し、「トレードオフ」を積極的に活用することの可能性を、事例を用いながら解説します。本件は2024年の部会活動としても継続して研究中です。常に新規の活動メンバーからの新しい考え方や多様なご意見を歓迎しています。

井之川 英正 氏 東日本支部社会インフラ部会 主査 VEL

1983年、株式会社淺沼組入社。病院、大学、公務員宿舎等の現場経験後、本店技術、積算、品管、本社技術の各部門に所属し、超高層RCや免震建物の実現、PFI等の提案型プロジェクトの受注を主導。現在は不動産管理部にて、既存建物の維持管理をベースとしたLC事業を展開。一級建築士、宅建士、認定FMr、公害防止管理者(騒音・振動)。2024年4月より社会インフラ部会の主査を務める。

バリュー・エンジニアのテアダウンへの関わり合いアンケート調査報告

日本VE協会西日本支部のテアダウン研究会は、日本企業に30年以上前から導入され企業独自のやり方で進化してきたテアダウン活動の内容を、企業間の壁を越えて共有化する活動を実施している。本発表では、約2万人のバリュー・エンジニアに対してwebアンケートを行い、テアダウン活動にかかわっている状況を調査した結果を報告する。

赤城 弘一 氏 西日本支部テアダウン研究会 主査 CVS

石川島播磨重工業(現・IHI)にてジェットエンジンの開発設計を経験した後、三菱重工業にて発電用大型ガスタービンの開発設計・製造・調達・サービスに従事。その間、VEの全社展開を推進した。退職後に独立し、株式会社赤城エンジニアリング代表取締役に就任。設計・製造支援コンサルタントをやりながら、立命館大学にて技能伝承の研究を行っている。博士(技術経営)、CVS、技術士(機械)。