04 Special Track 特別報告

トップダウンから、ボトムアップに変わったVE活動

トップダウンで開始したVE活動において、トップの強い意志とそれに応えようとする社員の頑張りにより成果が出たことで、 次第に活動が活発になって定着していき、ボトムアップで活動の提案と実践活動を行うようになっていった様子を報告します。

西山 浩司 氏 三菱重工機械システム株式会社 印刷紙工機械事業本部 本部長代理 VEL

2018年、東京ガス株式会社に入社。道路地下に埋設されたガス導管の維持管理業務に従事。 社内業務の最適化にVE思考が必要と考え2021年にVELを取得。 現在出向中の東京ガスネットワーク株式会社でVESを取得し、 社内のVE推進事務局としてVE人材育成やVE活動支援を担う。

須山建設㈱ 47年間の業務改善活動とVE活動の変遷

          須山建設㈱では、47年間の長きにわたり業務改善活動を行っている。VE活動は1999年導入し、SPS(スヤマ・プロダクションシステム)活動は、2004年に導入した。今回の応募するに当たり、SPS活動にて問題点分析技法の導入で目標達成したチームが17%増えたことで問題点分析技法のVE的考え方の有効性が実証できた。

荻野 祐一 氏 須山建設株式会社 すやま創意くふう研究所 所長 VES

1979年8月入社。建築部勤務の後、1997年~1999年FAシステム研究所所長としてVEの導入及び推進業務、VEリーダー養成に従事。2002年より管理ブロックにて業務改善活動事務局、2003年からSPS活動事務局を兼務し、現在に至る。1999年のVE導入以来、須山建設及びグループ会社、協力会社にVEリーダーの養成を行い、VE活動を推進している。VEL資格者は須山建設188名(取得率188/201名=93.5%)、グループ会社163名(取得率163/252=64.7%)、協力業者67名である。

鉄骨補強工事におけるVE活用事例 ~火災リスクと施工制約を乗り越える改善策~

自動車工場の鉄骨補強工事において、火災・物損リスクや作業効率の課題に対し、接合・荷上げ方法をVE対象として検討。施工制約や限られた作業時間による人件費増の問題に対し、災害リスク低減・工期短縮・コスト削減を目的に施工方法を改善。改善効果を振り返り、今後の施工環境向上に向けた課題を共有する。

髙崎 仁大 氏 株式会社バリューメーク 総合エンジニアリング部 工事部長

2013年より鉄骨工事の現場に従事し、実務経験を積む。2022年に株式会社バリューメークへ入社。病院・商業施設・物流倉庫などの現場管理を担当。品質管理と柔軟な対応力を重視し、施工者・職人と連携して高品質な施工を実現。現在は工事部長として複数現場を統括。鉄骨製作管理技術者1級、建築鉄骨製品検査技術者。

VE適用による中小企業の企業価値向上へのポイント

中小企業でのVE導入は大手企業とは違う難しさがありなかなか進まない。しかし一旦経験するとその規模からも企業全体へ波及が進みやすく、製品企画・販売促進・業務プロセスから人事組織制度まで、VEでの改革改善を行うことで、企業価値を大きく向上させることができる。本編では中小企業でのVE導入のポイントについて実例を踏まえて紹介する。

清水ひろゆき 氏 アットマーク・コンサルティング合同会社 社長 VES

横河・ヒューレットパッカード株式会社(現アジレント・テクノロジー株式会社)、国内中小計測機器メーカーにて、高精度計測機器の回路設計、プロジェクトマネージャー、顧客サポート、マーケティングなどに従事。2016年に経営コンサルタントとして独立し、中小製造業を中心に製品開発・販売促進などの支援、企業向け技術研修・セミナーなどを行っている。中小企業診断士・応用情報処理技術者、2023年より東日本支部マーケティング部会主査。 著書: 「令和時代を生き抜く中小・零細製造業のための 成長戦略と新製品開発の秘訣30」(セルバ出版)

なぜ今、aPrioriとCitrineか? データ利活用の最前線

私たちSCSKからは2つのソリューションを提案します。 3Dモデルでコスト・製造性・CO2を瞬時に可視化する「aPriori」。 AIで材料探索と配合設計を革新し、サステナブル開発を加速させる「Citrine Platform」。 VE改革を成功へ導く2大ソリューションを、本動画で体感してください。

滑川 真菜 氏 SCSK株式会社 製造事業グループ デジタルエンジニアリング事業本部 プロダクト営業部

2024年、SCSKへ中途入社。前職では化学メーカーにて製造業のお客様を対象とした営業活動に従事しておりました。現在は製造原価シミュレーションツール「aPriori」の提案・導入支援を担当し、製造業のDX貢献に努めております。

大石 直生 氏 CSK株式会社 製造事業グループ デジタルエンジニアリング事業本部 プロダクト営業部

自動車ランプメーカーで原価管理を担当しコスト最適化に貢献後、営業志望を叶え化学メーカーで特殊潤滑剤・コーティング剤の技術営業として提案力を磨きました。現在はSCSKで「Citrine Platform」の営業を通じ、製造業のお客様のDX推進と課題解決に取り組んでいます。

株式会社フジタは総合建設会社(since1910) 、VE導入58年

総合建設業として100年以上の歴史を持つフジタと、大和ハウスグループのシナジーを生かし、人々が快適で安心・安全な生活を送れる環境を創造します。建設工事(建築・土木)を主軸に、まちづくりや不動産投資事業,環環境創造、海外建設事業など幅広い事業を展開しています。  1968年に日本の建設業で初めてバリュー・エンジニアリング手法を導入。長い年月をかけて進化したその手法は、今もお客様の満足度を最大化するフジタの強みとなっています。

ディライト品質を探求する発想法

価値観の大きな変化により、機能の充足だけでは使用者の満足を得られない状況にある。今後の製品やサービスは、心の満足をもたらす「ディライト」を実現する機能を備える必要がある。それが「情緒的機能」であり、それを備えることで使用者にディライト(大きな喜びや感動)をもたらすことができる。これからの商品企画において、ディライトを実現する発想法について具体的事例を含めて提案する。

斉藤 浩治 氏 東日本支部R&D部会 ディライト品質探求チーム リーダー CVS

パシフィックコンサルタンツ(株)に42年勤務。在席後期の10年間(2002年~2012年)においてVEを活用した公共事業の改善に専任技術者として従事した。2013年に同社を退職、同年にMind-Jを設立。VEに各種の技法を融合したメソッドで業務改善や思考の改革に取り組んでいる。2019年にVE全国大会で普及功労賞を受賞。 長年にわたって活動している東日本支部のR&D部会ではディライト品質探求チームのリーダーを務め、研究報告書『 ディライト品質を探求する発想法』の発行において中心的役割を務めた。

テアダウン研究会によるアンケート調査の結果報告

テアダウン研究会で実施したアンケートについて、結果を分析しました。 昨年のバリュー・カンファレンスでは同様のアンケート結果について、バリュー・エンジニアのテアダウン活動への関わりとして報告しましたが、今回テアダウン活動の実施目的や実施内容などについて表現を見直して再アンケートを行っており、実施の現状として報告します。

横手 靖之 氏 西日本支部テアダウン研究会 VES

1992年に三菱電機(株)入社後、設計、技術開発(新製品適用等)、分析・解析(材料等)、知財、等の部門での業務を経験。 その後2012年より福山製作所のVE推進部門で、VEによる設計支援(テアダウン、1図面VE®、等)、VE教育(VE基礎講座等)、などを担当。 2022年12月に三菱電機(株)を退職後、広島テクノプラザでの講座など、VE教育・指導を中心に従事。

VE人材育成の新しいかたち──VDAの挑戦

VEを「価値を設計する思考基盤」として再定義し、人材育成の新しいかたちを追求する教育機関としてスタートしたVDA。機能思考を基盤に次世代教育を展開し、学びを実践へとつなげることで、VEの未来を切り拓く取り組みを紹介します。

芝本 秀徳 氏 バリューデザインアカデミー アカデミー長 CVS

株式会社プロセスデザインエージェント 代表取締役。大手ITベンダーでソフトウェアエンジニア、プロジェクトマネジャーとして、自動車部品メーカー、エレクトロニクスメーカーのソフトウェア開発に携わる。その後、文教市場向けソフトウェア開発に市場機会を見出し商品開発に乗り出し、企画・開発・販売まで一貫して現場を陣頭指揮。現在はコンサルタントとして、ソフトウェアの世界で培った問題解決力とエンジニアリングの知見を活かし、IT、金融、サービス業、小売業など、さまざまな業種の企業をクライアントとして持ち、戦略策定、実行ファシリテーション、DXプロジェクトPMO、人材開発などを行う。

製造業のためのプロダクトマネジメント ~改善×価値創造×ChatGPT活用ガイド~

製造業の革新に欠かせないIE、QC、VE、TRIZといった管理技術を、「創造的問題解決」の視点から体系的に整理し、さらに生成AIを活用した新たな課題設定やアイデア発想の手法も紹介する書籍を、このたび上梓いたしました。改善から価値創造へと発想を展開させる実例も複数収録し、実務に直結する一冊に仕上がったと自負しております。本日はその概要をご紹介させていただきます。

澤口 学 氏 立命館大学大学院 テクノロジーマネジメント研究科 教授 早稲田大学理工学術院 非常勤講師 CVS

慶応義塾大学工学部数理工学科卒業 早稲田大学理工学研究科後期博士課程修了、博士(工学) 東北大学大学院工学研究科客員教授(2020.4.1 ~ 2025.3.31) 現在、立命館大学大学院クノロジーマネジメント研究科 教授、早稲田大学理工学術院 非常勤講師 CVS-Life 主な著作に、『VE とTRIZ』、『日本式モノづくり工学入門』、『初めての企画・開発 メソッド』(いずれも同友館・単著)などがある。その他、著書論文多数。