特別講演
世界一でなく世界初を狙え ー適応出口戦略を用いた大型事業ー
実例を挙げて、世界一ではなく世界初を目指すことの大切さを述べる。企業の研究である以上製品化、事業化つまり出口を目指さなければならない。入社当初、研究職から事務職になったが逆にその出口に近い立場を利用することで多くの学びを得て、多分野型発明家としての礎を若い時期に築くことが出来た。事業化事例としては手振れ補正防止技術の基本特許の発明から世界初の事業化時に“適応出口戦略”を用いて壁を突破した成功事例。高速デジタル通信の基本特許技術の発明。任天堂Wiiの著作権保護の事例等を紹介する。
●参考資料:「表彰に励まされて」Panasonic Technical Journal
大嶋 光昭 氏
パナソニックホールディングス株式会社 名誉技監 ESL研究所 所長、工学博士 京都大学 特命教授
業績:登録特許1300件、特許ライセンス収入550億円、発明により興した新規事業の累計営業利益は3000億円、売上換算6兆円。
フェーズフリーで拓く未来 ― コストからバリューへの進化
「フェーズフリー」という概念が、近年大きな注目を集め、官民問わず様々な取り組み・提案がなされている。これまで解決することが難しかった「繰り返す災害」への持続可能なアプローチとして、フェーズフリーがもたらすビジネスの新たな潮流とは?そこから生まれる、フェーズフリーな社会とは? フェーズフリーという概念が生まれた背景から、その定義および具体的な事例について解説するとともに、フェーズフリーを適用したこれからのバリュー・エンジニアリングについて考える。
佐藤 唯行 氏
一般社団法人フェーズフリー協会 代表理事
国内外で多くの社会基盤整備および災害復旧・復興事業を手掛け、世界中で様々な災害が同じように繰り返されてしまう現状を目の当たりにしてきた。その経験・研究に基づき、防災を持続可能なビジネスとして多角的に展開。その一つとしてフェーズフリーを発案し世界ではじめて提唱、フェーズフリーの推進において根源的な役割を担う。フェーズフリー協会ほか複数団体の代表
著書:『フェーズフリー 「日常」を超えた価値を創るデザイン』(翔泳社)
A (アート)を土台としたSTEAM教育 〜社会課題解決のための創造的思考とは〜
VEは従来のコスト・機能最適化に加え、アートを土台としたSTEAM教育の思考を取り入れることで「問い直し」「意味の可視化」「共創」「未完成の価値追求」等が可能になる。本講演では社会課題解決のために、理屈や手法に縛られず感性と創造性を融合し、未来志向の価値を設計する力について考えていく。
大滝 世津子 氏
鎌倉教育総合研究所 所長 株式会社鎌倉学び舎 代表取締役 社会福祉法人誠志の谷戸 理事